序章

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      ☆……★……☆      幕      間      の                ひ      と      と      き         ☆……★……☆      Ding-Dong! (回転式安楽椅子をくるりと回して、目深帽子の紳士は青い煙草の煙を吐いた。そして口を開く)    ――hallo. ――電気lampと黒猫の眼球の違いがわからない、そんな君の頭蓋骨はおそらくLL式です。我々は心より君を歓迎したい。Welcome. (舞台裏から拍手喝采) ――さて我々は起承転結の要請を悉く拒否する。だって我々は最後のpageのために活動しているのではなく、『今』のために活動しているのです。結論。我々の存在は全て『今』に帰結する。 (紳士、鞄を探る) ――本書『舞い散る月光の薄片』が君にとって最良の書物であると断言することは無論できない。だが、群青色に揺れ動く君の【孤独】を65%だけ撃ち砕いてあげることはできるだろう。 (紳士、声をひそめて) ――我々は君に新しい世界を提案したい。   ○…………… 【注釈】××は16歳の誕生日の午後、この文章を私室の机の上に遺して、学校の屋上から身を投げた。しかしこれが遺書であるかは不明。   
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