主君
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「気が利くな、気に入ったぞ」 結った黒髪に縁取られた、端正な輪郭。吸い込まれそうな黒い瞳が、笑みに細められる。 (こんな綺麗な方になど、会ったことがない) 思わず赤くなった藤吉郎に、城主である織田信長は。 「猿みたいだな、よし! お前は今日から猿と呼ぶぞ」 そう高らかに言ったのだった。
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