主君

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直垂に袴。草履持ちから出世をした彼は、利家と共に信長の供を務めるまでとなった。 その目は利家同様に、信長から離れない。うっとりと主君を眺めた後、藤吉郎は至極残念そうに呟いた。 「そうなのだ。女子(おなご)なのだよ、お館様は……どうせうつけものと呼ばれているのだからいっそ、いつもああして着飾れば良いものを」 「こら、猿。うかつなことを言うものではない。お館様に聞こえたら、首が飛ぶぞ?」
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