主君

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「猿、犬千代! 貴様らも早う来て、わしと踊らぬかっ」 鈴の音のような声で、信長が二人を呼び。 笑顔で、扇を持った手を彼らへとさしのべてくる。 ……強制ではない、けれど、けして抗えない誘(いざな)い。 利家と藤吉郎は顔を見合わせ、やれやれと言うように笑うと立ち上がり、主君・信長の元へと駆け出したのだった。
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