4章 触れ合う手

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「……あ、そんなんじゃないの。イヤじゃないから」  歩き出そうとしちゃったリョウを、私は必死で呼び止める。  リョウはゆっくりと振り返った。 「そか。ありがと」  ……まただ。  またその笑顔を私に見せるなんて、卑怯だよ。  この感情が恋なのか、ただ浮かれているだけなのかわからないけど。  今は自分の感情に素直になろう。私はそう思って、リョウの手を握った。 「……アカリ?」  これでいいの。この感情の正体が何なのか、確かめるんだ。 「この先にね、綺麗な花壇があるんだよ」 「へぇ……花、好きなんだ?」  繋いだ手からリョウの暖かさが伝わってくる。  もう、胸のドキドキを隠すなんて事できっこない。  でも……それでもいいと素直に思っちゃったんだ。
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