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この頃の神戸の中学生は丸刈りが基本だったので、高校になって初めて髪を伸ばした為…とんでもない髪型の時期もあった。
「みんなと違う事がしたい」という気持ちが髪型にも影響していた。
リーゼントや長髪ならまだしも、ポマードの代わりにバイク用のエンジンオイルを塗ってギトギトになっていた時もあった。
「やっぱりカストロは違うなっ!」
と、太陽にあたると七色に変わる油を誇らしげに触っていた。
枕にはラップを巻き、部屋中が工場のような匂いに包まれていた。
6畳の部屋にオレと両親が寝ていた為その時期は短かかったが。
オレが通う高校は自宅から地下鉄に乗り30分程かかる所にある為、車内中の奴らはオレの頭を白い目で見ていた。
パンクロッカー気取りのオレは「カンケェーねぇ~ぜ」とヘッドフォンで音楽を聴きながら無視しつつも、まわりが気になって本当は恥ずかしかった。
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