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二階まで上がると、
三階までの階段の真ん中で二人の男子生徒が何か言い合いをしていた。
(あっ…さっきの人…
もうひとりは…?)
「お前か~?俺の後輩を病院送りにしたっていう、友永ってのは?」
パンチパーマをかけ額に剃りこみをいれた上級生らしい学生が声を荒げていた。
(あの人、友永っていうんだ。…でも病院送りって…?)
階段の真ん中に二人がいてギャラリーもいたため、美香は立ち止まり状況を見ているしかなかった。
「何とか言えよ~ビビってんのか~?」
周りにいた学生たちがケラケラとわらっている。
上級生は友永の襟元をわしづかみにした。
友永はジッと上級生を見ていたがイキナリ大きく頭を後ろを反らせ
無言で上級生の顔面に頭突きをいれた。
上級生は美香めがけて階段を転がり落ちてきた。
(ぶつかる…)
美香はギュッと目をつぶった。
「邪魔なんだよ。」
声がしてそっと目を開けると小山潤が上級生を片足で踏んでいた。
そして階段を上がりかけている友永にむかって言った。
「友永!ここではやるなって言っただろ!」
小山は言いながら上級生をまたいで階段を上がった。友永は振り返らなかった。
「み~かちゃん!危なかったやん。もう大丈夫やで~!」
関西弁で金髪の男の子が肩を組んできた。
「あの二人もしゃ~ないなぁ!安全第一!教室まで俺が手つないだるわ!」
「へ…平気です!」
美香は肩にかかった腕を払いのけた。
「ひゃ~怖いな~美香ちゃん!せっかく隣の席やのに仲良よぅしてや~」
美香はキッと睨みつけた。
「あれ~同じクラスの隣の席やのに気ついてくれてへんの?中野ゆうねん!ちゃんと覚えといてや~」
中野は美香の頭をポンポンたたいた。
また中野の手を振り払い美香は階段をあがった。
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