出会い

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「…もう起きないと遅刻するわよ!」 (…お母さん…?) 暖かい日差しとともに、微かに母の声がした。 (なんで?まだ6時なのに…) (入学式…!) 美香は慌ててベッドから飛び起きて鏡を見た。 (ボサボサ…伸びたなぁ髪…。) 母に似て色素の薄い茶色の柔らかい髪が肩まで伸びていた。 中学に入学した頃、この髪のせいでよく上級生からイジメられていたので、美香は髪をベリーショートにして目立たないようにしていた。 美香は高校の制服を手に取り匂いをかいだ。 「新しい匂い…」 階段をかけおりる音と母の慌てた声がする。 「先に車に乗ってるわよ」 「すぐ行きます!」 (お父さんはもう車乗ってるんだ…また叱られちゃう急がなきゃ!) 美香と両親は高校の入学式にむかった。
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