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「ねぇ!小山君は彼女いるの?」
真澄が小山に顔を近付けてニッコリ笑った。
「はぁ?」
小山は真澄を睨み付けた。
「真澄ちゃん!アカン!こいつは女嫌いやねん!アホなヤツ……」
真澄に話している途中に背中に気配を感じ中野は振り返った。
一人の男の子が立っていた。
「先輩!」
あきらが急にたちあがって「私、先輩とお昼過ごすね!じゃ後で!」
あきらはその男の子と食堂を出ていった。
(あれがあきらの好きな先輩か…ハーフみたいな綺麗な顔…二人とも背が高いしカッコいいな…)
そう思いながら美香は友永をみた。二人の目が合った。美香はなぜか恥ずかしくなった。
「真澄ちゃん、私お水買ってくる。」
美香は、そう言いながら自動販売機に向かおうとして誰かの足を踏んでしまった。
「ごめんなさい!」
言い終わる前に美香は髪をわしづかみされた。
「痛い…」
「痛いのは僕のほうだけどね?」
見上げると見覚えのある顔だった。
(朝の…階段で落ちた人と一緒にいた人…上級生…?)
「へぇ~あんた、どいつの女?」
美香の髪を掴んだまま相手は友永たち三人を見渡した。
「手離せやこら!」
中野がテーブルの上に飛びのって、上級生の顔を蹴りとばした。
上級生の友達も中野に殴りかかった。
2対1で喧嘩が始まった。
「やめて!」
美香は中野に馬乗りになっているヤツの腕を掴んでひっぱった。
「何すんだよ!」
美香の手を振り払おうと そいつは美香を殴った。
美香は一瞬目の前が真っ白になりフラフラ倒れこんだ。
友永は美香を殴ったヤツの髪を掴み、中野の食べていたラーメンの鉢目がけて顔からねじ込んだ。
プラスチックの鉢が割れるほどの勢いで。
友永はそいつの頭を踏みつけ今度は中野を殴っているヤツの頭を膝で蹴った。
「そのへんにしとけ!友永やめろ!」
小山が友永を止めにはいった。
美香は右目の上が切れて血で視界が霞んでいて、殴られたため目も回り、ボンヤリとしか状況がわからなかった。
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