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「しっかし…男の子が多いって聞いていたが…これほどまでとは…」
高校の入学式会場に着いた父が最初に出た言葉がこれだった。
「三年間大丈夫かしら…」母も驚いていた。
(また心配かけちゃうな…)
「大丈夫!中学のときみたいに髪のことでうるさく言ってくる女の先輩が少ないんだもん、楽しい高校生活が送れるわよ!安心して!しっかり勉強するから!」
っと笑顔で答えたものの、美香本人も男の子の多さに驚いていた。
(先生…話が違う…)
美香がこれから通うことになった、この白橿学院高校は元々男子校であったが、数年前に共学となり少しずつ女の子も増えてきていたが、まだまだ男子校といってもいいくらい男の子が多かった。
なぜ美香が白橿学院高校に入学することになったかというと、第一希望の入学受験の前日から39度の熱を出してしまった美香は、思うように試験ができず、希望の高校を落としてしまったのだ。
滑り止めで受験したのがこの白橿学院だった。
中学の担任の話では共学だが少し男の子が多いくらいだと聞いていた。
髪の色で、とやかくいってきていたのが女の子の上級生というのもあったし、第一希望の高校に合格できると考えていた美香は、第二希望は担任の薦めた高校を受験した。
(仕方ない… 勉強頑張ってやる! )
美香はクラス分けの表を見て自分の教室にむかった。
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