プロローグ

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薄暗い森の中 雨の中、全身傷だらけの女の人が何かを抱えて走っていた 女の人は、輝く銀髪に、澄んだ紫色の瞳だ 「ハァハァ」 「待てっ」 「大人しく捕まれ」 後ろから大の男達が追い掛けてくる 「この子たちは、ハァハァあの人とあたしの子供よ。絶対渡せない」 バンッ 銃声が鳴り響いた 「ウッ」 女の人の右肩を貫通した 「早く…しないと」 女の人は走って、1つの大きい洞窟の前に来た 「老龍!!ここに居るの分かってるの。お願い出てきて」 洞窟に響き渡る ドスドス 奥から、地が揺れるような足音が聞こえる 「!?何をしたのだ!?エリー」 そこに姿を現したのは、 1頭の大きい龍だ 50mはゆうに越す体。 金色の大きい目に、全身が銀色の丈夫な鱗で覆われていて、 口から出ている巨大な牙 「この子達を預かって欲しいの」 「その前にお主、体はどうした!?」 「あはは、無茶したの」 「……誰かに追われて居るのじゃな」 コクリ エリーと呼ばれた女の人は小さく頷く 「時間が無いの。その子達を預かってね 女の子はゼナ、 男の子はゼロっていうの」 「昔から、自分勝手なのは変わっておらんな お主とあの人の子、 しっかりと預かる だからお前は…ゆっくりと休むといい」 「あは バレてたの? 古代魔法使ってたの。」 「お主、命が代償なのだろ 魔力が命に集まっておる。 なぜ使った…?」 「やっぱり老龍の目は騙せないや。あのね… あの人死んじゃったの… 今起こってる戦争でね 頑張ったけど無理だった…… あたしも戦争に行ったの けど強くてね…… 最後の力を振り絞ってね、ここまで来たの」 女の人は泣くのを必死に我慢してる 「そうか…」 「ごめんね。 あたしもう無理みたい。 消えかかってる。 自分勝手でごめんね」 「お主の自分勝手で謝るのは初めてじゃの。 けれど、お主嬉しいそうじゃぞ」 「もう、わかってるんでしょ 分かってるのに聞かないの」 女の人は泣きながら笑顔だ。その姿は神のように神秘で、美しいとしか言い表せれない 「その子達あたし達の子供じゃないの 捨てられてたの…」 哀しそうにエリーが言う 「けどあの人と一緒の髪の色ではないか」 老龍が聞く 「この子達、三歳なのに 喋れるのよ。 魔物や天使、精霊とも喋れる 凄い子よ」 エリーが母親の顔でいう 「あたし達、人間が嫌いらしいわ 警戒されてたけど なついてくれたみたいなの だから老龍に頼みに来たの」 「そうなのか…」 「それと… まっいいわ いずれ分かるから…」
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