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「いえ、いつも食堂をご利用いただきありがとうございます、坂月様」
「え?俺の名前知ってるのー?」
俺は目を丸くする。
「ええ。何しろ有名ですから。
もちろん、藤堂様も」
「あ、そうなんすか。いつも美味しいです」
一樹は笑顔で頭を下げた。
「それでは、私はこれで……」
去りぎわに、ウェイターさんが俺をちらりと見た。
「………なんだ?」
俺が首を捻っていると、一樹はニヤニヤする。
「ははっ、フラグ立っちゃってんなー」
「は?」
フラグだと!?
なに、どこにフラグが立ってるんだ!
俺の萌えセンサーは反応しなかったぞ!!←
俺がキョロキョロ見回していると、一樹のため息が聞こえてきた。
「お前にフラグ立ってんだってのー…」
ボソリと小さな声で呟く一樹。
「え?何か言ったー?
ねえ、フラグどこに立ってんの?」
「………はぁー」
何だよその目は。
「………ほら、さっさと食べるぞ。
会いたくねーんだろ?」
「あ、そうだったねー」
何だか納得いかないが、確かに会いたくないので俺は急いで食べた。
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