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「謝罪の言葉なら、散々聞かされたわ」
嘲笑するかのようにゆがめられた、彼女の口元。
血の気のない、白い唇が痛々しかった。
「俺、そんなつもりじゃなかったんだ!
まさか君が……」
「あんたにとっては、軽い言葉だったかもしれない。
でもあたしは……。
死にたくなった」
彼女は身体ごと顔を背けて、俺を視界からシャットアウトした。
俺はかける言葉をなくして
うつむくことしか出来なかった。
お見舞いにと持ってきた
真っ白で殺風景な部屋には似つかわしくない、派手なバラの花束を
細長いテーブルに置いた。
「こんなもの!!」
彼女はすぐに、それをテーブルから叩き落とした。
俺、お小遣いをはたいて買ってきたのに。
君には、伝わらない。
でも、それも自業自得だ。
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