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「転校……」
俺は俯いて、黙り込んだ。
そして、意を決して、彼女をしっかりと見つめた。
「……好き、だったんだ」
「えっ?」
彼女が思わず、背けていた顔を戻して、俺に視線を合わせる。
怯みそうになったが、俺は続けた。
「ノートをもらったとき、
気づいた。
俺は君が好きだったんだ。
でも、言えなかった、認められなかった。
ごめん!!」
勢いよく頭を下げる俺を、目をいっぱいに見開いて
身動きもせずに見つめる彼女。
「嫌いなんじゃないの?
余計なお世話だっていうことじゃ、ないの……?」
かすれた小さな声が
彼女の口からこぼれ出た。
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