4人が本棚に入れています
本棚に追加
「遅れましたー。もう、進路について先生の話が長くてさー…ってあれ?」
背の高い、どちらかといえば体育会系の女生徒が俺たちを見下ろした。
「じいちゃん、この人たち誰?」
指を差されていい気分にはなれない。
さすがの翔哉も「生意気」なんて小言を呟いている。
「新しく入った新入生だよ」
「へぇ、新入生」
そう言って俺たちの前に立つ。
じっと見つめられたあとに彼女は声を上げて笑った。
「な、なんだよ」
「ちっちゃいねえ!」
「なっ!?」
つい立ち上がってしまった。
同じく翔哉も。
少なくとも俺はこの女よりは数ミリ高いと思う。
翔哉はすぐに椅子に雪崩落ちたが。
「私、坂口麻結。この部活の部長ね。」
部長からも握手を要請される。
今回は翔哉が握ってくれないらしいから、渋々俺が握った。
「一応、この子は副部長の宮下沙夜ちゃん。私の妹だから手出しちゃ許さないから」
笑いながら背中をバシバシ叩かれる。
やっぱりこの人、体育会系なんじゃ…。
「あ、じいちゃん忘れてた。松江先生よ。私はじいちゃんって呼んでるけど」
「なんでも構わないよ」
じいちゃん先生は微笑む。
本当に優しいな、この人。
「とりあえずこんな感じかな!」
部長が椅子にドカッと座った。
_
最初のコメントを投稿しよう!