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「そんな部活聞いたことねえぞ」
そう、少なくともこの学校の部活紹介では紹介されていなかった。
何部に入る予定か、という希望調査の用紙にも「天体観測部」なんて文字はなかったはずだ。
「それがあるんだよ」
翔哉はポケットからぐちゃぐちゃになったプリントを取り出し、近くに置いてあったボールペンを手にとった。
さらさらとプリントに描かれていくのは…地図?
「ここ、ここ」
再び自慢気に笑い、俺にプリントを見せる。
「…お前、絵だけじゃなく地図も下手なんだな」
中学時代の翔哉の美術の成績は聞くまでもない。
「よく見ろって!校内の地図だよ!!」
「俺にはただのあみだくじにしか見えないんだが」
「ひど!」
なんて言いながら嘘泣きをする。
お前はガキか。
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