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今度はじいちゃん先生らしき絵の隣に、似たような火星人が描かれていく。
「かわいい部員はいますか?」
「聞いたのか」
「おう!」
第二の火星人はかわいい部員だったらしい。
「そしたら?」
「あぁ。いるよ」
じいちゃん先生の真似か、枯れた声を無理矢理出す。
プリントにははみ出しそうなくらい大きなハートを描いている。
真っ二つに別れているように見えるのは俺だけか?
「今、天部には3年と2年が1人ずついるんだって!!」
「てんぶ?」
「俺が略した!」
とりあえず優しい俺は軽くため息をついてやった。
「でもなんで天体観測部に?」
こいつのかわいいゾーンに入る奴なら腐るほどいるだろう。
再び自慢気に笑う。
その顔飽きた。なんて言ったら泣くだろな。
「天部、それは星を眺める部活である」
「つまり」
「夜の学校に入れる!!ああ、なんという男のロマン!!」
なんか違う気もするが。
「でもお前ならそんなことしなくても普通に忍び込んでるじゃねえか」
口元に人差し指を添えられる。
この指噛んでやろうか。
「こんな簡単に入る方法があるんだ。こっちのがいいだろが!」
かわいい先輩もいるし!と何度も言いながらハートを黒く塗りつぶしていく。
あまり良いハートには見えないが。
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