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「へぇ~…益々気に入った、怜衣のこと」
「はっ、気色の悪い。随分ありがた迷惑な話だな」
嫌そうにその端整な顔を歪めながら吐き捨てるように冷たい言葉を返す。
そのやり取りを見ていた鈴が慌てて止めに入り、その場は一先ず収まったのだ。
「二人とも仲良くなって楽しいのは分かるけど…まだ授業の途中だよ?」
いつもなら聞き流しカモフラージュとして鈴の頭を撫でて寝る体制に入ったのだが、今回は聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
―――今、鈴の口から「仲が良い」と聞こえたのは気のせいか?
仲が良い?俺とコイツが?思わず頭を抱えたくなる。
鈴が天然なのは付き合いも長いので重々承知済み…だが、勘違いだ。
「鈴ちゃんはよく分かってるやんか~。仲良すぎておまけに好きすぎて辛い」
「……黙れ、変態野郎」
「その変態に惚れさせてやるから安心して待っ」
「鈴。昼休み食堂行くぞ」
「あっうん!」
華麗にまで一揆の存在をシャットダウンさせたのは怜衣。
お構いなしに一揆を挟んで鈴と私情の話を始める。
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