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密かに鈴に思いを告げた。
まぁ、初めから仲良くする気なんてなかったのだが余計に思った。
鈴が一揆の相手をしている間に地べたに寝転びズボンのポケットに入っていた携帯を取り出し、触り始める怜衣。
―――…
――――…
気づけばいつの間にか携帯を触っている途中に眠ってしまったらしい。
うっすらと瞼を上げると鈴の姿が見当たらなかった。
「……ん…?…」
まだ覚醒しない意識と回らない頭のまま呆然と前を見つめていたら、突然視界が反転。
「おはようマイハニー怜衣」
想像なんてしたくないが、語尾にはきっとハートやら音符等が付いていそう。
「……ぁ…?」
わけが分からない上にまだ起きたばかりで機嫌は最悪。
何を勘違いしたのか、一揆が微かに頬を染めたのだ。その反応に益々わけが分からなくなる怜衣。
「怜衣、そんなに見つめるなって」
「……もう疲れた…つか、退けよ是澤」
「なんで鈴ちゃんは名前で俺は是澤なんだよ」
「知るか。退けよ禿げ是澤」
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