始まりは此処から

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どうやら睨み続けたのは間違いだったらしい。 どこに気分を上げたり興奮する要素があったのか分からないが、微かに息を荒げる一揆。 周りから見れば今の一揆は妖艶で色気を放っているように見えるだろうが、怜衣にとっては気持ち悪いだけ。 「キモイ…」 「お仕置きしようとしたのに気分上がってきた」 「意味分かんねえよ」 いい加減に腹も立ってくる。 全く意味を為さなかったが何度も「退け」と言いながら抵抗した…にも関わらず、身長や体格の差か逃げることも出来ないので尚のこと。 そろそろ一発や二発程度は殴っても許されるだろう。 退かないコイツが悪いんだ、と怜衣は殴るか殴らないか考えだす。 ―――そんな最中、屋上の扉が前触れなく開かれたのだ。 「あ、やっと見つけた。怜衣!」 赤髪で制服を着崩した所謂不良の生徒はそう言いながらたった今、組み敷かれている怜衣に向かって小走りしてきた。 「…ってあれ?怜衣、何して……つか、誰コイツ?」 平然と指をさしながら尋ねてくる純。 「純…ッ!?この禿げどうにかしろ!」 「え、つかコイツだ」 「話はいいから、さっさとどうにかしろって」 殺意を込めて今度は純を睨み付ける。
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