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「え?いったいどうしてですか?」
「ここで詳しくは話せませんね。
場所を変えましょう」
ボスはコーヒーを一気に飲み干して、レシートを持ってレジへ向かった。
俺もあわてて、コーヒーを飲み干してボスへついていった。
すると、店の出入り口から見覚えのある顔が見えた。
やばい!あれは俺の通っている大学の知り合いだ!
急いでポケットからサングラスを取り出して、手に持っていた帽子をかぶった。
俺は基本的に帽子は、あまり似合わないからかぶりたくないのだが、知り合いにマフィアだとばれるわけにもいかないので、基本は持ち歩きなのである。
何とか知り合いにはばれないで、店の奥へ行ってくれた。
前にも似たようなことがあったとき、ボスがいつも言っていた。
毎日コソコソするくらいなら、堅気に戻ればいいのにと言ってくれる。
ボスにとって俺は、息子みたいな存在なのだと思っているのだ。
もちろん俺もボスを父親のような存在だと思っている。
だからこそボスに忠誠心をささげ、俺は死ぬまでこの世界で生きていくことを目指しているのだ。
それこそボスのようになるために・・・
行きは歩きだったが、帰りはボスの車に乗せてもらう。
もちろん運転手は、ボスの右腕の井出さんだ。
俺が助手席に座り、ボスは後部座席に座り、再び葉巻を吸い始めた。
ボスは意外にヘビースモーカーなのだ。
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