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最初は内崎にガンガン酒を飲ませる。
酔わせてまともな思考力を働かせないようにするためだ。
適当に話し合いを10分ほど進めていくと、静兄ィが急に真顔で内崎に話した。
「内崎さん…
突然こんなことを言うのも変ですが、うちの会社に転職してみませんか?」
「え?
おいおい、なんだよいきなり…」
笑いながら冗談だと思っている内崎。
だが静兄ィは攻め続ける。
「私はあなたと話をしているうちに考えたんです。
あなたは小銭をちまちま稼ぐような男ではない。
大金を掴んで支配する側に回らなければいけない人間だと私は思うのです」
その言葉を聞いた内崎は、酒をバカスカと飲んでいた手を止めた。
「…冗談だろ?」
「冗談ではありません。
私は是非あなたをうちの会社の正社員として雇いたいのです。
内崎さんが今働いている会社の給料の2倍3倍は出します!」
静兄ィの真剣な目付きに、内崎はなかなか口を開くことができなかった。
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