65人が本棚に入れています
本棚に追加
「……なんですか?」
私は「警戒心満々!」って感じで言った。
今インしたばっかりの私には、この世界での知り合いはいない。
その様子を見た男性PCは「ハハハ……」と苦笑する。
「そんなに警戒しないでよ。……初めまして、お嬢さん。僕の名前はアス。お嬢さん、初心者でしょ?サポートするよ」
言って男性PC、アスは握手を求めてきた。
「サポート?」
私はその手をとらずにきいた。
……まだ、分からない。
警戒するに越したことはないからね。
アスはまた苦笑いをすると手を引っ込めた。
「初心者さんが早くこのゲームに慣れるように手伝うよ、てこと。やり方が分からなくて最初のうちに辞めちゃう人とかいるからね」
「……」
……確に、最初は誰かについていったほうがいいかもしれない。
このゲームにはマニュアルがない。
最初の、サービスが始まったばかりのころはあったらしい。
しかし今は、「プレイヤー同士の交流を促す」とかいう理由で公開はされていない。
プレイ方法は、自分でみつけるか、誰かに聞くしかないのだ。
……面倒臭いけど、仕方ないか。
最初のコメントを投稿しよう!