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私はアスに促されて自分の武器を取り出す。
「……」
ニ、三度振り回してみる。
……うん、いい感じだ。
「……」
私はくるりとアスの方を見る。
「どう?」
「……」
ん?さっきからアスが喋らない。
「どうしたの?アス」
「……想華―――は―――の?」
「ん?なに?」
何か言ったけど、よく聞き取れなかった。
「……想華のジョブは、死神なの……?」
死神。
大きな鎌を振り回して広範囲攻撃を得意とするジョブで、中級の攻撃魔法まで使うことができる。
「うん。そうだけど?」
近接攻撃も魔法攻撃もできるなんて、お得だと思う。
「……」
「……アス?」
「……似合ってない……」
ぼそりと、アスが呟いた。
「は……?」
「想華!今すぐ自分のキャラクターを客観的に見てみるんだ!!」
「えー」
「早く!!」
私はアスに言われて渋々サングラス型のディスプレイを外し、パソコンのモニターを見る。
そこには、青い軽鎧を身に纏った青年、アスと、赤いローブを着て、頭に狐のお面を斜めに被り、まがまがしい大鎌を担いでいる小さな少女が写っていた。
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