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私の分身である想華だ。
因みに、狐は私の好きな動物。
黄色い体に大きな尻尾っていうのは、かなり可愛いと思う。
私はディスプレイを装着すると、アスに言った。
「似合ってると思うけど?」
「どうして死神!?そんなに可愛いPCなのに!どうしてもっと、こう、よく似合った…白魔導師とか歌姫とかにしなかったの!?」
私はちょっとムッとする。
「いいじゃん、なんでも。だいたい、後ろのほうで皆の体力ばかり気にしてるなんて嫌。どうせなら自分でモンスターを倒したい!」
アスは右手で目を覆い、空を仰ぐ。
「ジーザス、なぜ神はこのような少女まで争わせるのですか……」
「アスはキリスト教徒なの?」
「いや?まったく」
ぱっと手を振るアス。
なんだそりゃ……。
「まあいいや。それよりも!サポートしてくれるんでしょ!?」
「はいはい……」
まだ納得しない様子のアスを無視して、私はピョンピョン飛び回っているコボルトへと近付く。
「シャーーーッ!」
私に気が付いたコボルトが、猫みたいな声で威嚇してくる。
あ、可愛いかも……。
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