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そんなことを思っていると、コボルトはその短い足でピョンピョンと一生懸命私に近付いてきて―――、 がぶり! 私に噛みついてきた。 ……って、噛みつき!? 「腕もちゃんとあるのに!」 私が叫ぶとアスが苦笑する。 「腕でもしっかり攻撃してくるよ」 アスの言う通り、コボルトは今度は腕を振りかぶっていた。 振りかぶりすぎて少しよろめく。 やっぱり可愛い!! 「……だけどっ!」 またダメージを受けるほど私も馬鹿じゃない。 軽く後ろにステップで避ける。 コボルトが攻撃を空振りするのを見てから大鎌を振るう。 「ピギッ!」 うまくヒットし、コボルトがよろける。 「まだまだ……っ!」 そのままコンボを繋ぐ。 「プギ~」 鳴き声とともにコボルトが灰色に染まり消えていく。 「お~、スゴイスゴイ。初めてにしてはやるね。ぱちぱち」 後ろで見ていたアスが言う。 私は武器をしまってアスのほうを振り返る。 「ぱちぱちって口で言うんだ?」 誉められたのが少し恥ずかしくてそんなことを言う。 ……リアルでは、もう随分誉められた覚えなんかない。
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