Under the Rose

6/10
前へ
/10ページ
次へ
   闇に包まれた理科室で、アルコールランプの炎だけがゆらゆらと漂う。  何も分からないまま彼女の前に座らされ、何だか落ち着かない。 「今から何すんの?」  沈黙に堪え切れず、僕は会話を振ってみた。 「見て解らない?」  彼女が言った。  机に並べられた幾つかの器具、横たわった夏によく見るあの生物。  本当は何となく解ってた、ただ信じたくないだけで。 「...蛙の解剖」 「正解」  彼女は表情一つ変えず、短く答えた。  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加