左君

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僕が両手に持つのは 綺麗な物ばかりじゃない それでも手放さないのは その中に君がいるから 無くした物を拾うのは それを忘れたくないから いつも近くにあるなら 思い出せるだろう? いつか君がこぼれ落ちて 波紋を立てて消えるなら 今からでも潜り込んで 全て飲み干してあげるよ そして僕の中で 溺れ死んでいくのさ 溶けないで 忘れないで 大丈夫、まだ聞こえるよ。 聞こえる鼓動の上で 眠り生きていくのさ 起きないで 起きないよ 大丈夫、君と生きるから。 死ぬときも掴んでいて 綺麗な物じゃないけど
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