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「ッ!!」
刹那、暗子の胴体に凄まじい衝撃が迸った。
セイルが放ったのは、ただの衝撃波魔法。
しかし、ゼロ距離で放たれた衝撃波は、緊急障壁が発動する隙すら与えず、暗子の体をやすやすと吹き飛ばした。
“油断、した……っ!!”
肺の空気を強引に押し出され、絶息した暗子は、それでも思考することをやめなかった。
正直、今まで流歌や未来の相手をしてやることが少なかった暗子にとって、胸を貸す、という上の立場に立つことに慣れていない。
戦闘中ですら、どの程度の手加減をすればいいのかわからなかったが、これではっきりした。
手加減など、必要ないのだと。
背中から無様に落ちた暗子は、倒れた姿勢のまま、くつくつと笑いはじめた。
「ククククク……ッ!! アハッ……ハハハハハ」
セイルがそれを見て、疑問した瞬間だった。
ドンッ!! という地鳴りと共に、天へ黒い力の奔流が立ち上がった。
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