32人が本棚に入れています
本棚に追加
「全国大会へ出る前に、十本槍と戦ってほしい」
そう、学園の戦争部史上、最強と謳われる10人と戦えという要求だった。
「それは……どういう意味ですか?」
息を詰めて問い返した流歌に、焔は笑みすら浮かべて平然と言ってのける。
「どういう意味も何も、そのままだ。現役の4人に頼んでるんだよ、先輩の相手をしてやってくれないかってな」
「――……見極めるつもりですか?」
焔のおどけた態度にも、流歌はその鋭い目つきを崩さない。
言葉は緊張し、目的の見えない要求に疑問を投げ続ける。
それでも、焔は笑みを作りつづけた。
「どうしてそう好戦的なんだよ、流歌。先輩が後輩を揉みに来る。どこの部活でも普通のことだ」
「――……セクハラですか」
「未来のせいで変な固定観念が生まれてねぇかお前」
「くっ……! どうせ私に揉むところは……ッ!!」
「る、流歌さんっ! 流歌さんのお尻はいい形で素晴らしい揉み心地だと思いますわっ!」
「――……セイル、いつの間に触ったの?」
「せ、先日、公開演習で抱き上げた際に……」
「お前ら、ナチュラルにセクハラ会話してんじゃねーぞ」
最初のコメントを投稿しよう!