第3章

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“くっ……そ” 揺れる思考で、彼女はそれでも闘争心を失っていなかった。 たった数発喰らっただけで、伏してしまう。 ――……屈辱だった。 相手とのレベル差が絶対的であるのを差し引いても、数発ですら耐えることができないなんて。 “お姉様に、顔向け……出来ませんわ……!” 強い戦士として自分を育ててくれた、姉の顔に泥を塗る結果となってしまう。 それだけは……ッ!! 「それだけは……許せません、わ……ッ!!」 ガッ!! と、地面へ爪を立てたセイルは、腕立て伏せの要領で体を持ち上げながら、呟く。 「《アウローラ Mk.Ⅱ》、《ギルガメス》、まだ行けますわね?」 装備への動作確認すると、アウローラもギルガメスも地面に倒れているようだが、全く問題なく動くようだ。
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