第3章

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「ッ!!?」 とっさに伏せると、頭の上で金属同士が衝突する撃音が響き、わずかな衝撃波が降り注いだ。 そう、先ほどのやり取りで暗子の黒手を抑えていた、ギルガメスの腕だ。 “ふぅん、イメージだけで遠隔操作できるのね。接続の上手さは、さすがに機神騎乗師ね” そう思っていると、正面にはアウローラが迫っており、すでに自分は射程圏内にいる。 「ふふっ」 伏せる暗子へ打ち下ろされる、重機神の右腕。 彼女は身を起こし、それを右腕に展開していた術式を使って受け止めると、 「まる見えよ?」 半身を背後に振り返り、残る左手で背後から迫るギルガメスの拳を受け止めた。 “機神の後ろに隠したのね。良い戦法だわ” しかし、暗子はそこで気が付く。 彼女が左手で受け止めた拳は、一つだけ。 “もうひとつは!?” 思った瞬間、それが来た。 両手の塞がった暗子の頭上から、最初の2つを合わせた3つの腕が砲弾のように放たれたのだ。
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