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「悪かったわね、セイル。正直なところ、私、さっきまで貴女にどんなスタンスで相対すればいいのかわからなかったわ」
暗子は起き上がりながら言葉を作る。
言葉を放つ度に、黒い力を波打たせながら。
「ようやくハッキリしたわ」
「手加減なんて、してやらない」
刹那。
「え……っ!?」
セイルは視界が回ったことに気がついた。
見れば、体は錐揉み状態で吹き飛んでおり、地面へ落下した直後、
「いっ……やぁぁぁぁぁあああああああああああああッッッッッッ!!!???」
全身を凄まじい激痛が走り抜けた。
セイルがその原因を考える暇もなく。
「アハッ!! アハハハハハハハハハハハハハァッッ!!!!」
「いやぁぁああああああああああああ!!!! やめ……てぇッ!! やめてやめてやめてやめてぇエエエエエェェエエエエエエエェェエエ!!!!????」
彼女は四方八方から殴られるような攻撃を与えられた。
衝撃が来る方向はまさに全方向、全方位。頭も体も足も、全て等しく殴打される。
まるで、空間そのものに殴打され続けているかのように。
秒間、1000発。
「がっ……はぁッ!!!?」
「フフフッ……!!」
ガラスの割れる音と共に、セイルは真紅の緊急障壁に包まれてしまった。
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