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流歌の加速化していた視界が、一瞬で元に戻る。
背から感じていた拘束も感じない。
視界に纏わり付いていた桃色の力も見えていない。
“《Space Sonic》が……”
格納されている。
「惜しかったな」
見れば、奈美子はすでにカウンターを喰らって吹き飛ばされており。
流歌の刃もまた、魔力を失って解けてしまった。
「あ……」
制服姿の流歌は、完全に普通の女子高生へと成り下がる。
「最後のストライド。あれが1発分の時間に相当した。欲をかいたな、流歌」
言って、鉄也は藍色の力を纏う。
正面に立つ流歌へ振りかぶるのは、両手に握った6つの鈍器。
「――……え?」
「終わりだ」
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