終章

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それに、と、彼は未来の目をスッと見据える。 「ここまで拮抗するとはな、正直思わなかったんだよ!!」 「ッ!!」 一瞬、未来は自分が侮られていたのかと誤解するが、そうではない。 焔に全く歯が立たなかったあの頃と比べて、成長したと言われているのだ。 だが、それでも。 「まだまだ、だ」 「う……そぉっ!?」 焔が思い切り力を込めると、均衡は崩れ、未来の大槍は完全に消失してしまった。 「ッッッ!!!!」 崩れる態勢は、隙を。 遥か彼方へ弾き飛ばされてしまった魔杖は、攻撃力の喪失を。 そして、 「終わりだ!!」 豪炎の中を構わず突っ込んで来る焔は、敗北を。 それぞれ、意味していた。
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