第1章

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◇◆◇ それは条件反射にも似た、凄まじい反応速度だった。 思考はいらない。 身体が自然に動くまま、敵へと刃を向けろ!! 声が聞こえたのは、教室後方。いつの間に現れたのかはわからないが、女性2人が立っている。しかし理由は後でいい。 流歌は向かって右、未来は左に向けて、爆発的な加速を見せる。 『――――!!』 踏み込み、速度、共に全くの同時。 流歌は右手、未来は左手の爪に魔力を流し込み、鋭化した貫手を作る。 もはや視認すら難しい、圧倒的な速度で放たれた一撃は、 「――――!!」 派手な音を立てて、教室の壁を穿ち、止まった。 「なっ!?」 「うそっ!?」 壁に手を突っ込んだままの流歌と未来は、同時に驚きの声をあげる。
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