第1章

11/19
前へ
/159ページ
次へ
目標が、消え―――― 「へぇ、やるじゃない2人とも」 「成長しましたね。緊張感も忘れていないようですし」 聞こえたのは、背後。 流歌と未来のすぐ後ろに、標的が立っていた。 ねばるような汗をかきながら、流歌は静かに口を開いた。 「――……お久しぶりです。水都先輩」 流歌の背後に立っていたのは、水色のポニーテールを、挟む髪留めでアップにまとめた女性だった。 スポーティーな姿をしている彼女は、流歌に向かって快活に笑った。 「練習は怠ってないみたいじゃん? 正直今の、ヤバかったよ」 対しもう一方、未来の方はと言うと、彼女は嬉しそうに振り返って笑顔を見せた。 「ふーちゃん先輩っ! 久しぶりだよぉ~!」 「あらあら、未来さんは変わっていませんね」
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加