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目標が、消え――――
「へぇ、やるじゃない2人とも」
「成長しましたね。緊張感も忘れていないようですし」
聞こえたのは、背後。
流歌と未来のすぐ後ろに、標的が立っていた。
ねばるような汗をかきながら、流歌は静かに口を開いた。
「――……お久しぶりです。水都先輩」
流歌の背後に立っていたのは、水色のポニーテールを、挟む髪留めでアップにまとめた女性だった。
スポーティーな姿をしている彼女は、流歌に向かって快活に笑った。
「練習は怠ってないみたいじゃん? 正直今の、ヤバかったよ」
対しもう一方、未来の方はと言うと、彼女は嬉しそうに振り返って笑顔を見せた。
「ふーちゃん先輩っ! 久しぶりだよぉ~!」
「あらあら、未来さんは変わっていませんね」
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