第2章

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◇◆◇ 「す、すみませんッ!! 記録を再開しますッ!! 西暦2XXX年12月25日、21時07分、40秒過ぎた所です!!」 再生直後、真っ暗な画面で聞こえてきたのは、叫ぶような女性の声だった。 直後、画面は突然現れるが、撮影端末を持っている人物は走っているのだろう、映像は非常に揺れていた。 「現在、広域魔力消失現象が発生したため、魔法による記録が出来ません!! パレ・カルディナルの近衛兵団と――――きゃあッ!!」 その瞬間、空間全体に響き渡るようにして猛烈な音が鳴り響いた。 『――――!!!!』 それは声であり、絶叫。 聞き覚えのある声が、甲高い叫びを放っている。 強烈な絶叫から聞き取れる感情は、悲痛。 圧倒的な負の感情が街全体に放たれていた。
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