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入学式当日
俺は桜舞う坂道を登っていた。
「ハァ・・・この坂道長いな、マジ長いよ、明日筋肉痛になりそうだよ、もう疲れたよ」
などと愚痴っているのは、この小説の主人公、桜井慶太(さくらいけいた)である。
口癖は、疲れた、面倒くさい、たるい、眠いだ。
だが今日は入学式、他にもこの坂道に苦戦している新入生はたくさんいた。
(やっぱり苦戦するよな~)
そう思い学校に続く坂道を眺める。
すると、ガシャンという音がなった。
見てみれば、・・・フェンス登って近道しているやつがいた。
俺は唖然とした、こいつ頭イカレテやがると・・・
そいつはフェンス上まで上り今度は下りに入る。
目があってしまった。
「よう、お前もやるか?」
「やらねぇ~よ、てかお前何してんだよ」
「あん?んなもん見て分かるだろ。ショートカットに決まってんだろ」
ですよね~
俺は無視して行くことを決める。
だが、そいつは俺を呼び止める。
「そういえば自己紹介まだだったな、俺の名前は阪河優太(さかがわゆうた)ってんだ、お前は?」
「不法侵入者に語る道理はないよ、それじゃ」
「おい待てって、吊れないな~、あっ分かったぞ!お前俺のこと羨ましいんだろ」
「ハァ~、何でそうなるんだよ?」
「俺が近道してるから怒ってんだろ、そうなんだろ、あぁ?」
なんか頭痛くなってきた。
こんなバカをみたのはいつ以来だろうか。
俺は頭抱えて今度こそスルーして行くことにする。
「おい待てよ!まだお前の名前・・・」
「コラ~、貴様何やっとるか」
「げっ!?先公かよ、ヤバイな」
優太は逃げる・・・が捕まったらしい。
「てめえコラ放せよ、ハゲ」
「なっ!?貴様先生に向かってハゲだと、しかも言葉使いがなっとらんようだ。」
先生は優太の首根っこを掴み話しだす。
「この新入生が、とんだやつだな、新入生じゃなく侵入生じゃないか。ハァ~まぁいい、取り敢えずこい」
「嫌だわ、どうせならピチピチのキャワユイ先生に説教された・・・」
バチ~~ン
い~~~~
いい音がなった。
振り向けば優太は掴まれたままグッタリしている。
(どうやら、気絶させられたらしいな)
そのまま学校へとつれていかれる、優太
もう二度とあうこともないだろ。
俺は、お別れの言葉を告げる
「さらば、バカよ」
そう言い残し坂道をまた登り始めるのだった。
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