Ｒeturn⇔nruteЯ?

―１

手越、間に合いました！

試合開始まで、５分もあるし

今綺麗にゴール決めたくらいの

喜びに浸ってます。

まあ、玄関を見たら

急いで脱ぎ捨てた靴が

散乱してるけど、（笑）

試合が始まる前から

飛ばしすぎてるけど

しっかりと、靴を整えて

手を洗って、

メガホンを用意して、

日本代表Ｔシャツに着替え

ソファーに座って

テレビをつけて、

準備万端でまだかまだかと

待っている状況です。

ﾋﾟﾘﾘﾘ…

あ、…慶ちゃんだ

｢はいもしもしー｣

(あ、手越？間に合った感じ？笑)

｢うん！間に合ったよ。さすがでしょ？｣笑

(迎えに行こうかと思ってたんだよ)

｢まじで！電話遅いよ…（笑）｣

(遅かったよな…すみません)

｢いやいや（笑）、あ。ゴメンそろそろだから切る。じゃあね！｣

(あ、ちょ待っ…)

ピッ

ッ-…ッ-…

また後でかけるから

ごめんね、慶ちゃん（笑）

｢……喉渇いたな…｣

冷蔵庫に取りに行こうとしたけど

もう今始まったから動きたくないし…

｢あ……｣

さっき貰ったのがあるじゃん。

小さいから足りなさそうだけど

俺は、鞄からその瓶を取り出すと

蓋を開けて、そのまま一気に流し込んだ。

｢…っ……あ、…うまい｣

予想していた味とは全く違ったけど

結構良い味だった。

｢……もう一本くらい貰っとけば良かった。｣

テレビ画面を見つつ、

瓶の方にも目をやると

小さく赤い字で非売品と書いてあった