3話~ある日の晩の黒祷家~

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「私だけじゃないさ。赤羽も槌形も、鮮姫もそうだ。八人全員が宗秋に惚れ込んでる。だからこそどれだけ月日が流れようと、誰一人として此処を去ることをしなかった。宗秋の子達は男も女も、どれだけ代を重ねようと、どこかに面影があった……そこに宗秋が垣間見えるなら、去る理由は無いさ。」 すげぇ一途だな……聞いてるこっちが恥ずかしくなるぞ。 「お前らって最初から一緒なのか?その……宗秋と契約する前から。」 「いいや、顔すら知らなかったさ。宗秋の言葉に応じた時に初めて会った。」 「全員?」 「ああ。八人全員が一同に介したんだ。」 「すげぇな。」 死神八柱を同時に応じさせるって、どんな人間だよ。 むしろそんな人間の生まれ変わりってどんな人間だ。 いや俺の事なんだが。 「確かに凄い奴だったね……本当に人間かって疑うくらいに。宗秋には強烈に惹き付けられる何かがあった。」 「魅力か?」 「多分ね。」 「なんつうか……ほんとすげぇよ、ご先祖様。」 いやマジでそう思う。 しかも赤羽が言うには、宗秋はきちんとこいつらを使役してたんだろ? 俺なんかチャンネル変えるのに使われてるっつの。 鮮姫にはことあるごとに馬鹿呼ばわりされるし、白銀は馴れ馴れしいし、赤羽に至っては人を喰い斬ろうとしやがる。 …………あ、なんか頭痛くなってきた。
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