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「実を言えば薫、私はあんたに期待してるんだ。」
「何を?」
「あんたはやっぱり宗秋の生まれ変わりだよ。健もそうだが、薫は健以上に宗秋に似てる。あんたが生まれてからずっと見て来たけど、仕草が宗秋そっくりだ。」
「そうなのか?」
「だから鮮姫も心がざわつくんだろうね。あれは彼女なりの愛情さ。」
「馬鹿呼ばわりすんのが愛情かよ……歪みまくってんじゃねぇか。」
「白銀だってそうさ。あいつもあれでいて、嫌いな輩には目もくれない所がある。」
つまり馴れ馴れしかったり、やたらと肩に腕を回してくるのは気に入っているからこそか。
確かに本人もそんな風な事を言ってたが……俺にそんな趣味はない!
「赤羽が直ぐに怒る理由だってそう。宗秋に似てるからこそ、薫にはからかわれたくないんだろ。」
だからって刀を抜いても良いってか?
いや完全に悪いのは俺だけどな。
「朱岬はもっと分かりやすいね。あいつが興味のない相手の未来をいちいち計算したりするもんか。」
あぁ、狐の相がどうとかっていうあれか。
完全に外れてましたけれどもね。
「高茜は人見知りするし、蛇落と槌形は気に入らない相手には壁を作る。そう感じたことあるかい?」
「…………ねぇな。」
つうか高茜が人見知りなんて初めて知った。
蛇落と槌形は雰囲気で何となく分かる。
壁を感じた事は無いけどな。
「つまり、みんな期待してるのさ。」
「だから、何をだよ?」
「薫が、宗秋と並び立つ事を。」
俺にご先祖様と対等になれってか。
とんでもない注文だなおい。
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