心天気『雨』

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心の中の天気は、音もなく荒れたりする。 だから、他人は気付かない。 中には、とびきり晴れている心天気もあるだろう。 だけど、私の心天気はいつまで経っても『雨』。晴れる事を知らない。 「じゃあ、ここの問題を解いてみて。わかったら手をあげるように、」 教室の中はザワザワしていて、先生の話なんてみんなきいていない。 私は、ただひたすらノートに黒板の文字をうつすだけ。 その繰り返し。 学級崩壊だっけ?こういうの。 もしそうならば、この学校には、学級崩壊していない学年なんてない。中学三年生という大事な時期の私たちさえ、授業をきいていないのだから当たり前だ。 私はノートに問題の答えをかくと手を小さくあげた。すぐに先生が気付いて近くに駆け寄る。 「どれどれ…、んんー?ここ違うよ。花目さん。」 花目美菜子 私の名前。 あまり気に入ってはいない。 「そうですか、もういいです。あとは一人で出来ますから、」 「いや、でもねぇ…」 しつこい先生だ、 ほんとにイライラする。 「花目ーーっ、そこの鞄取って。」 「あ、うん」 男子に言われて私は大人しく鞄を渡した。 「サンキュー、みんな帰ろうぜ!」 「賛成!よしっ、花目さんばいばい。」 「美菜子ちゃん待たねー、」 クラスの皆はやさしい。だけど、冷たい。みんなは私を利用してるだけ、わかってても逆らえない。 歯向かうと、怖い。痛い目にあうのはわかりきっている。
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