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鐘が鳴る。
今日私はこの国の女王になる。
理由は簡単、お母様が死んだから。
もともとお母様は体の弱い人だった。
だから私は5歳の頃から教育を受けていた。
だから私が女王になるのは決まっていたこと、何も不満はない。
ただ、ただ…
私に時々会いに来る彼、うんうん私と同じ顔をした弟は、楽しくも悲しくもない日々に色をくれた。
不満を溢す私の話し相手になって私を笑わしてくれた。
それでいっつもレンはこう言うの。
『悲しくても笑ってれば辛くないよ。』
『だからリンはいつも笑ってて。』
って。
きっと私は、だから今も笑っていられるの。
貴方が私に笑っていてと言うなら私は笑うわ。
私を想って私の召し使いにまでなってくれたレンが私にそう言うのなら。
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