第一章

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万策尽きた。 何をしようとも無駄だ。 そんな考えが村長逹の頭を、何百回目か巡ろうとした時。 コンコン 誰かが家の扉を叩く音がした。 渋々、農夫Cが席を立ち、扉に手を掛けた。 ギイイィィ~ 重い音がして、扉が開いたそこにいたのは、頭から白いローブをすっぽりと被った者だった。 目と周囲だけが白い肌を見せ、わずかに金色の髪が見えていた。 農夫は皆、見慣れぬ者の訪問に驚いていた。 しかし、村長だけは、その人物を知っていた。
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