俺はお前を知っている。

4/4
前へ
/14ページ
次へ
こんなに暑くて… きっと、太陽の暑さのせいだ。 目の前にいる、こいつのせいじゃない。 「…帰れ、お前がいると寝れない」 「そう、じゃあおやすみ」 すっと、閉じた瞳にひんやりとした感触。 しばらくして、静かな寝息が聞こえてきた。 小さな寝息、上下する肩。 手を外せば、安らかな顔が見える。 (…いつもあんなに気を張っているのに、) 寝顔だけは正直に疲れている、と伝えてきた。 「…お疲れさま」 額に軽くキスを送り、 満足な顔をして、部屋を出ていった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加