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母親は、亡くなった父親の写真を出してきて
「珠恵~お前達が、こんな時に、揃って帰ってくるなんて、他に話があったからなんだろ~
私に何か言いたい事があるんでしょ~」
「う、うん。兄さんが帰ってからにしたかったんだけど…
いいわ!」
「なんだい?」
「か~さんの病の事だよ!」
「やはりね、大丈夫だから!私も自分自身の事は、解ってるからね。私の世話を話する為に帰ってきたんでしょ?
ちゃんと、病院に入院する段取りはしているから。
それと、介護の事もね!
お前達に、迷惑をかかる事は無いからね…」
「迷惑なんて…
そんな訳に、いかないよ~」
「本当、大丈夫だからね。」
「私ね、父さんの時みたいに、なりたくないの!
だから…」
「馬鹿な子だね~まるで、私が死ぬみたいな事を言って…」
「そんな事は、思ってないけど…」
「解ってるよ…
でも、ありがとうね。明日の夕食は楽しみにしているからね。本当、何年ぶりかしらねぇ~」
その言葉を聞いて、珠恵は、目頭が熱くなるのを感じた。
「そうそう、早く、お風呂に入って…
片付かないから!
私は、そろそろ横にならしてもらうからさ」
「あ、ごめんね~
後片付けは、私がやっておくから。
か~さんは、休んで!」
母親は、珠恵の言葉を聞いて寝室に
携帯電話の画面を見ながら、珠恵は小さく溜息を一つ。
そして、就寝の準備を始めた。
兄は、深夜の到着になるみたいだから。
何気ない朝が来て、3人で揃った朝食を食べた。
母親が作った朝食である。
昔と、何も変わらない味
まるで、何年間の時間を切り取った感じ
過去を生きてる様に
朝食の後も、何気ない時間は過ぎて行く。
昔のままの時間…
珠恵は、不思議な感じに落ちていた!
それは、兄とて同じ感じのはず。
三人て、たわいもない会話をして、笑い、時間が過ぎて行った。
珠恵の頭には、母の側で暮らす事を決意していった。
それと同時に、兄の意志も珠恵と同じ様に決まっていった。その事は、口に出す事は無かったが。
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