始まり

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恐る恐る二人が降りた場所は… まったく見た事も無い場所 目の前に、広がる草原 遠くに、町並みが見える エレベーターに乗ったのは、小料理屋がある4階建の4階 それが… なんで… 二人は、降りたエレベーターに、慌てて乗り込み、4階のランプを押した! エレベーターは動かない… 「いったい何が何か解らない! ねぇ、兄さん、どこなの? ここは? 夢?」 「解らない… 夢じゃない事だけ、確か…」 「早く、元の場所に帰ろうよ! か~さんが待ってるんだから… ねぇ、兄さん…」 「解っている、そんな事は! でも、どうしたらいいんや!」 二人は動かないエレベーターの中で、扉が閉まるのを待った! ガタン… エレベーターが、動き出した。 扉が閉まるんじゃなく、開いていく… 壁が、どんどん… みるみるうちに、一枚の板状に… 二人は、草原に立っている板の前にいる状態。 そして、その板は静かに上空に吸い込まれて行った! 残された二人… なすすべも無いままに… 「兄さん…」 「…」 「ねぇ…」 「…」 「返事してよ!どうするの?私達… なんなの?」 「…」 「夢だよね、私達は…」 「夢ならいいけど…」 珠恵は、兄にしがみつき 「なら、どうしたらいいの!なにがなんだか、意味が解らない~説明してよ!」と、大声で叫んだ。 兄は、回りを見て 「大声をだすな! 何か変な感じがする、草陰を見ろ~ 何かいる!」 背丈ほどある草陰に、赤い光が… 不気味な唸り声を出しながら、時折、カチカチと歯をあてる音をたてながら… 「なんなの?いったい私達はどうなるの?」 「静かにしろ!ちょっとは冷静になったら?」 「なによ!どう考えたら冷静になれるの? こんな状態だよ」
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