四人目はひきこもりに

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中を覗くと、女の子が飛行機の翼とプロペラを足に付けて戦うアニメを見る小太りの男が。 それを銀髪でスラッとした長身の男が見下ろして怒鳴っている。 魔王「とっとと行って人間どもを血祭りにあげてこい!」 テネ「アラバマが行ったんなら良いじゃないですか~。 煩いなぁ~!」 テネシーは右手をあげると、手のひらをクルリと一回転させた。 するとテネシーとテレビを包むように半透明な結界が展開される。 それまで聞こえていたテレビの音がいきなり止んだ。 魔王「・・・バリアーか!」 思わず呟く魔王。 結界の中ではテネシーが「その通りだ!」と答えていたのだが、こちらには聞こえない。 聞こえないのにテネシーが答えた理由は、オタク特有の阿吽の呼吸である。 つまり、魔王も少なからずテネシーの同類なのだ。 それを見ていたアラバマはため息をつく。 アラ「魔王様、戻りました。」 魔王「・・・で、首尾は?」 いきなり声をかけたアラバマに驚かないのは、気付いていたためらしい。 さすが、腐っても魔王である。 もっとも、腐っているのは魔王ではなくリシリューだが。
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