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「どこらへんが」
彪兎は缶コーヒーを開けると、一口飲み込んだ。
笑みを浮かべる彪兎。
翼も苦笑いをしながらコーヒーを飲み、口を開いた。
「お前は、どこか別角度から物事を見てるんだ。別角度って言うか一歩後ろか…兎に角お前はただ見てるって感じだ。
仲間と悪ふざけしても、ある程度のラインを保ってるだろ。
喧嘩はしないしもちろん薬だってやらない。なのにそれをやる連中を『視ている』し近くに居る。薬より人間に興味がある。違うか」
彪兎は話ながらもゆっくり家の庭に進んで行く翼について行った。
「慧眼だな…」
「ったりめぇだ」
伸び放題の雑草のなかに白いボロボロのテーブルがある。
彪兎はそこに飲み終わった缶コーヒーを置いた。
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